バスコのLIFE GOES ON!

40代でエレキギターを始めた愚か者の雑記帳。映画、音楽等についても申し述べます。

自分勝手でいい加減おまけに無責任、だけど魅力がある、罪深き男 アメリカ,家族のいる風景(Don't come knocking)

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2005年 アメリカ・ドイツ

 ヴィム・ベンダースの作品です。

 西部劇映画の人気俳優ハワードが、撮影現場から失踪します。荒野のロケ地から撮影用の馬で走り続け、レンタカー、バスを乗り継ぎ向かった先は母親の家。

 ハワードは、酒やクスリ、女性問題と数々のスキャンダルを起こしていましたが、そんな自分に嫌気がさしてしまい、しばらく世間から身を隠したいと考えていました。

 しばらくぶりに再会した母親から、随分前にモンタナでの撮影のときにハワードの子供を宿したという女性から何回か電話があったという事実を知らされます。自分には子供はいないと思っていたハワードは、母親が作っていたスクラップブックにあった女性の写真を手がかりに、モンタナの町ビュートへ亡き父親が乗っていた車で向かいます。

 一方、若い女性スカイが火葬場から母親の遺灰を引き取ります。スカイは、母親がよく話していた故郷に散骨するために、同じ町ビュートへ向かいます。

 町に到着したハワードは、件の女性ドリーンを見つけます。そして、ライブハウスで音楽活動をしている若者アールが息子だと知らされます。ハワードは、アールに自分が父親だと打ち明けますが、激しく拒絶されます。心乱されたアールは、ドリーンとも口論をしてしまいます。
 ハワードは、ドリーンにこの町で一緒に暮らしたいと告白しますが、ドリーンは、自分の罪の意識から逃れたくてここに来ただけだ、だけどそのせいでアールの人生が変わってしまった、あなたは卑怯だとハワードを非難します。そして、「ひょっとしたら哀れな女が地球のどこかにいて、自分を憐れんで救ってくれるって思っているんだろうけど、私はそんなのは嫌、私はそんな女じゃない」と言い、去っていきます。

 突然の父親の出現に動揺するアールのところへスカイがやってきます。スカイも、またハワードと関係があった別の女性が身ごもった子供でした。

 その頃、映画製作の出資者からの依頼で、ハワードを捜索していた男がビュートにたどり着き、ハワードを捕らえます。そして……。


 自分勝手でいい加減おまけに無責任、だけど魅力がある、罪深き男ハワードの話です。あらすじのところで下線を引いたドリーンの台詞が、この映画の全てだと思います。それでもこの台詞の後、ドリーンはハワードに激しいキスをして立ち去るのです。

 もう一人のハワードの子供スカイの位置づけが少し曖昧だったように思われるところが残念です。

 この映画の見どころは映像美です。ヴェンダースの写真集「Written in the west」(ただし初版。最近Revisited版があるようですが、画面で見る限り加工されているようで、銀塩特有の粒子感や自然な色彩ではないように見えます。)のように、なんともいえずくすんだ色彩で描かれています。多分、アメリカ人の目には映らないアメリカの景色だと思います。

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最後までお付き合いいただきありがとうございました。

 

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