バスコのLIFE GOES ON!

40代でエレキギターを始めた愚か者の雑記帳。映画、音楽等についても申し述べます。

難易度高めの不器用な男は救われるのか BUFFALO '66

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1998年 アメリ

 

ヴィンセント・ギャロ主演作

 

 懲役5年の刑期を終え、刑務所から出所するビリー・ブラウン。

 街に出て実家に電話をすると、母親から妻を連れてくるよう執拗に求められます。しかし、ビリーは結婚していません。刑務所に入る前に、政府の仕事で妻と一緒に遠い地に行くことになったのでしばらく会えないと嘘をついていたのです。困ったビリーは、衝動的にたまたまそこを通りがかったレイラを拉致して、レイラの車で実家に向かいます。道中、ビリーはレイラに自分の妻のフリをしてとにかくオレのことを引き立てろと命じます。隙だらけだったので、逃げようと思えば逃げることができたはずのレイラですが、何故かビリーの指示に素直に従います。

 ビリーの父親は癇癪持ちの元歌手、母親は根っからの地元アメフトチームのバッファロー・ビルズファンでした。そして2人共ビリーにはあまり関心がなく、久しぶりの帰省なのに特別歓迎されることもありませんでした。

 微妙な雰囲気で夕食を終え、ビリーとレイラは実家を去ります。ビリーはレイラに対して高圧的な態度をとりますが、レイラは従順ながら臆することなく、ビリーの領域に入り込んできます。そんなレイラにビリーも少しずつ心を開いていきます。

 ビリーには、出所した後に決心していたことがありました。そもそもビリーが刑務所に入ったのは他人の罪を被ったためでした。そして、なぜそうしなければならなくなったのかといえば、スーパーボウルの試合でバッファローに大金を賭けて負けて借金を作ったからでした。そのバッファローが負けた原因は、フィールドゴールをスコット・ウッドが外したからでした。ビリーはウッドが八百長でわざとキックを外したと信じ込んでいて、自分の人生が狂った原因を作ったウッドを殺して、その後自殺すると心に誓っていたのです(逆恨みもいいところです。)。

 ウッドはすでに引退し、ストリップクラブを経営していました。店でウッドを殺害しようと決めたビリーは、ウッドが店に顔を出す深夜までレイラとモーテルで時間を潰します。そして、深夜2時。ビリーは意を決して店に向かいます。別れ際、レイラから愛していると告白されますが、ビリーの決心は変わりません。

 店の中で、女を侍らせて上機嫌で酒を飲んでいるウッドと対峙するビリー。懐から銃を取り出しウッドに向けます……。

 

 主人公のビリーは、虚勢をはっているけど内面はシャイでウブで実は真面目な性格で親思い、ついでに恋愛経験もなく女性に対して奥手という、かなり難易度高めの不器用な青年。そんなビリーが、レイラの包容力で解されていくというストーリーです。

 この映画の主人公役がヴィンセント・ギャロではなく、不細工な人だったら、かなりキモい感じになると思いますが、イケメンだとこういう設定も成立してしまいます。羨ましい限りですが、人によってはギャロの「イケていない男もオレが演じるとサマになるんだぜ」というナルシシズムを、ちょっと不愉快に感じるかも知れません。私自身は、ナルシシズムはハンサムの特権だと思っているので、全く気になりませんが。

 ちょっと古びた画像や映像効果等にもヴィンセント・ギャロの美意識を感じます。ハイセンスながら観客を突き放すわけではなく、「こういう感じいいでしょ」という距離感が楽しい作品です。

 

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